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黒字リストラが、もたらすもの



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岸、田文雄首相は「新しい資本主義」を標榜している。文藝春秋2022年2月号に寄稿された岸田文雄首相が書いた “私が目指す「新しい資本主義」のグランドデザイン” を読んでいる限りは、新しい資本主義とは、昭和の時代にあった古い日本型の資本主義のことらしい。

〈参考〉
岸田文雄総理緊急寄稿「新しい資本主義」(文藝春秋)


自民党総裁選では「小泉改革以降の規制緩和、構造改革の新自由主義的政策はわが国経済の体質強化、成長をもたらした。他方で富める者と富まざる者の格差と分断を生んできた。コロナ禍で国民の格差がさらに広がった」とまで述べている。



岸田文雄首相の「新しい資本主義」への賛否はともかく、言いたいことはわかるような気がする。確かに、古き日本型の資本主義は崩れている。


早期・希望退職を募集する企業が全て赤字かといえば、そうでもない。21年の84社のうち44%に当たる37社が、好業績下で人員削減策を行う「黒字リストラ」だった。しかも、1千人以上の募集をした5社のうち旅行大手のKNT-CTHDを除く4社が、最終損益は黒字だった。また、19年は57%、20年は45%が黒字リストラに踏み切っている。
 日本の雇用制度の脆弱性(ぜいじゃくせい)がコロナ禍で浮き彫りになったと指摘するのは、労働問題などに取り組むNPO法人「POSSE(ポッセ)」代表で、雇用・労働政策に詳しい今野晴貴(こんのはるき)さんだ。
「もともと日本の企業は、景気が変動したときは黒字であってもコストカットのため賃金の高い中高年への早期希望退職を募ってきました。特にリーマン・ショック後はその動きが顕著になり、今はコロナを理由に早期希望退職は社会的にも受け入れやすく、本人たちもしかたがないと思ってしまうところがあると思います」
【出典】2022年6月17日のAERA dot. “約4割が「黒字リストラ」好業績なのになぜ? 背景にコロナとデジタル化への対応”


このような資本主義は、小泉改革以前に横行していなかったのは事実です。黒字リストラを少数の企業が行っているような段階ではない。リストラの4割が黒字リストラです。


右派だけを批判する気はない。左派の労働組合が、これらの黒字リストラする会社で黒字リストラに反対してストライキをしたなんて話を聞かない。


金儲けのために首切りをする日本企業が普通にある。左派でなくとも、古い資本主義の古い昭和型の資本主義が復活することを望む声は出るでしょう。年収600万円以上の中高年正社員はいらない。黒字リストラとは、そういう意味です。


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【出典】WEB金融新聞 "年齢別・男女別の平均年収"


最低賃金を時給1000円に引き上げたところで、時給1000円でフルタイム労働をしても年収は約200万円です。


年収600万円以上は黒字リストラなのだから、年収が200万円から600万円の間に集約されて行く。この平均年収400万円という水準が、高い水準だなんて思ったら大きな間違いです。


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【出典】2021年10月20日 朝日新聞デジタル 「韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…」


平均年収400万円が先進国の水準であったのは20年前の2000年頃までの話です。その後の小泉改革で日本は先進国から転落して、韓国の年収を下回るようになった。


こんな日本経済で満足なんて人は、かなりの変人です。たいていの人は、このような経済には不満を持つ。右派や左派から、いろいろな経済政策の主張が登場するでしょう。


中道左派の岸田文雄首相が主張した「新しい資本主義」。今の日本に、岸田文雄首相が思い描くような経済が存在していないのは事実のようです。

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