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「貯蓄から投資へ」って、変な言葉。



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「貯蓄から投資へ」。こんな政治的なスローガンを岸田文雄総理も使うらしい。


言葉として、おかしい。


貯蓄というのは、英語の Saving です。所得のうち支出されずにセーブされた金額のことてす。

投資は、英語の Investment です。所得のうち消費されなかった金額のことです。


近代経済学では「貯蓄イコール投資」てあり、貯蓄と投資は等しいと考えられている。近代経済学に異論がないのであれば、この言葉の使い方はおかしい。


近代経済学において、」銀行預金が貯蓄であり、株式などでの運用が投資である。」なんて考え方はない。政治家とお役人による捏造でしかない。


要は、「2ちゃんねる」なみの言葉の使い方です。


この標語が言いたいことは、「預貯金から株式での運用へ」というものらしい。実態は株屋さんのセールストークです。かつて日本の総理大臣が「トランジスターのセールスマン」と言われたことがあるが、今は「日本の総理大臣が株屋のセールスマン」に落ちぶれている感がある。


株式での運用は、本当に投資なのでしょうか?


投資(Investment)に近い言葉として、投機(Speculation)という言葉があります。


投資とは、資金を産業界に供給することです。銀行預金は銀行融資を通じて日本の産業界に資金を供給しています。ちゃんとした投資です。


投機とは、値上がりや値下がりを予測して株などの売買を繰り返すことです。もちろん、産業界に資金が供給されることはありません。例えば、トヨタ自動車の株を証券会社で購入したとしても、購入資金がトヨタ自動車にわたることはありません。株式の前の所有者にお金が支払われるだけです。基本的に株式の購入とは、投機的取引によるマネーゲームてあり、投資ではありません。


株式や債券の購入が産業界の資金供給に使われるのは、エクイティ・ファイナンスやデッド・ファイナンスをした時だけです。新株発行による資金調達をエクイティ・ファイナンスと呼び、新しいさいけの発行による資金調達をデッド・ファイナンスと呼ぶ。新株発行による資金調達は株価を下げる要因になるので、必ずしも歓迎されるとは限らない。


「貯蓄から投資へ」という言葉の実態は、「投資てある銀行預金から、株によるマネーゲームへ」でしかない。こんなものを日本の総理大臣があおるようであれば、それは「株屋のセールスマン」でしかない。


金融所得課税が話題にあがることも多い。日本の金融所得課税は、アメリカやイギリスより高く、ドイツやフランスより低いというのが実態です。つまり、高くもなければ低くもない。

20220601140002ece.png【出典】財務省 "主要国の株式譲渡益課税の概要"


アメリカやイギリスと比較して、本当に日本の金融所得課税が低いのか。アメリカやアメリカの例を検証してみる。


アメリカの場合、連邦税は分離課税で最高税率が20%となっている。日本の分離課税で税率20%とほぼ同じです。どういう人が日本より金融所得課税が低くなるのでしょう。


(注1)給与所得等、配当所得及び長期キャピタル・ゲインの順に所得を積み上げて、配当所得及び長期キャピタル・ゲインのうち、39,375ドル(445万円)以下のブラケットに対応する部分には0%、39,375ドル超のブラケットに対応する部分には15%、434,550ドル(4,910万円)超のブラケットに対応する部分には20%の税率が適用される(単身者の場合)。なお、州・地方政府税については、税率等は各々異なる。
(注2)給与所得等、利子所得、配当所得、キャピタル・ゲインの順に所得を積み上げて、キャピタル・ゲインのうち、34,500ポンド(504万円)以下のブラケットに対応する部分には10%、34,500ポンド超のブラケットに対応する部分には20%の税率が適用される。


アメリカとイギリスは、基本的に中低所得者の税率が軽くなっている。


アメリカ連邦税では、長期キャピタルゲインだけが減税の対象です。キャピタルゲインは買値より売値の方が高い時に出る損益のことです。短期売買を繰り返しているような人が得る短期キャピタルゲインは税制優遇されません。日本と同じく、20%での分離課税です。


1年以上も株を所有し続けている人は、長期キャピタルゲインで税制優遇の対象です。これがアメリカの連邦税です。


アメリカですら、株や為替の短期売買によるマネーゲームを繰り返してい人を税制優遇していない。せいぜい、中低所得者の金融所得課税を軽減する程度です。



「貯蓄から投資へ」。


株屋の利害の他に、こんなスローガンがなんの役に立つのかわからない。銀行預金であれば、産業界に資金が供給される投資活動となる可能性が高い。株式の売買は売った買ったのマネーゲームであり、産業界に資金が供給サレル可能性は低い。


実態は「投資から投機へ」でしかない。


個人レベルで投機的なマネーゲームをするのは自由です。投機には、市場に流動性を与えるという重大な役割もある。政府が投機的なマネーゲームを規制するようなものでもない。ただ、政府が投機筋を税制優遇するようなものでもないはずです。

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