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賃金は、需要と供給の論理で決まる?



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「賃金は、需要と供給の論理で決まる」なんて言ったら左派の人は怒る。賃金は労働運動や労使交渉で決まると思っているからです。


失われた30年で日本の平均年収は横ばいでした。

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【出典】2021年10月20日 朝日新聞デジタル 「韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…」


失われた30年で、春闘では2%以上の賃上げだった。単純計算で60%の賃上げで、平均年収400万円は640万円まで増えているはずです。

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【出典】2022年3月17日の朝日新聞電子版 "大企業の春闘で満額回答が続々 賃上げ、中小まで行き渡るか"



実際には、増えてない。春闘のような労使交渉で平均賃金は決まっていない。


平均賃金が横ばいで、一部に賃金が増えた人がいる。ということは、低賃金の非正規労働者を増やし、高賃金の中高年正社員をリストラ(半強制な希望退職)した結果です。非正規社員の賃金をピンハネして正社員の賃上げに使った。


これが労使交渉の結末です。


賃上げを要求する労働組合の論理ではなく、人を雇用する側の論理で見てみます。


人を求人する時、「労働市場での賃金相場に、10%上乗せした金額」するのが良い言われることがある。10%上乗せするのは、優秀な人材を採用するためで賃上げの目的ではない。労働市場での賃金相場が下がれば、10%上乗せしてあっても賃金は下がる。労働市場賃金相場が上がれば、もちろん賃金は上がる。


労働市場での賃金相場は、需要と供給の論理で決まっている。


賃金の上がる買い手市場では、労働者の供給が少ない。または、労働者に対する需要が多いということです。
賃金が下がる売り手市場では、労働者の供給量が多い。または、労働者に対する需要が少ないということです。


市場メカニズムなので、こんな話です。


この論理が、日本でもっとも機能しているのは新卒採用です。人手不足の時は賃金水準が上がり、人手が余っている時は就職難で賃金水準も下がる。日本経済の歴史は、この繰り返しでした。


転職市場には35歳限界説や45歳限界説があるようですが、転職市場も基本的に同じ構造です。既存の従業員の労働市場での価格とは、転職した時に得られる年収と言うことです。年収の高い人をリストラ(半強制希望退職)して、より低い賃金の労働者を新卒市場なり転職市場から雇う。派遣社員を雇うなど他にも方法はあるでしょうが、基本的に同じことです。


既存の従業員の賃金が増えない時は、今の賃金に不満があるなら転職して下さいという話です。割高な賃金の労働者を解雇して、より安い労働者を労働市場で雇う。逆に、既存の従業員の賃金が上がる時は、労働市場での賃金相場が人手不足などで高騰して、新規の労働者の確保が労働市場で困難をともなう時です。既存の従業員の賃金を引き上げて転職を防ごうとする。


実際に転職できるのは45歳ぐらいまでで限度です。50歳をすぎると、学歴や経歴に関係なく再就職は困難になって来ます。年功序列賃金で割高な賃金を受け取っている45歳以上の労働者はリストラ(半強制的な希望退職)の対象です。定年後再雇用の対象であったりする。転職先はほとんどないから、低賃金な非正規労働者に転落して行くことが多いです。

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「こんな社会はけしからん!」と言いたいです。しかし、こういう現実が目の前にあるのは否定できない事実です。残念ながら、そうです。


労働市場、すなわち新卒市場や転職市場での賃金相場が上がれば、企業経営者のほとんどは賃上げしなければいけない状況になる。それは、労働者に対する需要が多くて人手不足とか、労働者の供給が少ないという状況で起こる。


その時に、経済界や政府は何を言い出すのか? 外国人労働者の受け入れです。つまり、労働者に対する需要が多くて人手不足とか、労働者の供給が少ないという状況は起きない。

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