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資産所得倍増計画は本気なのか !?



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2021年9月に行われた自民党総裁選で、岸田文雄首相は「令和版所得倍増」を主張していた。しかし、自民党総裁総の直後に行われた衆議院選挙の自民党公約に「令和版所得倍増」の文字はなかった。

2021年10月には、岸田内閣の山際大志郎(経済再生担当大臣)が「所得倍増は所得が2倍になるという意味ではない」との迷言を残した。「多くの方が所得を上げられるような環境を作って、そういう社会にしていきたいということを示す言葉だ」と説明している。
《参考》


岸田文雄首相が発言した迷言ではないが、岸田内閣の経済担当大臣の発言なので問題がある。大問題ならないのは野党の実力不足としか言いようがない。


さて、今度は「資産所得倍増計画」なんて言い出した。岸田文雄首相は、高度経済成長の時代の所得倍増計画に「こだわり」があるようです。


首相は、行政が民間の呼び水となって、格差拡大や地球温暖化問題といった社会課題の解決を図るのが「新しい資本主義」だと説明。急成長を続ける権威主義的国家に対抗するためにも「官民連携で新たな資本主義をつくっていく」とした。
 その具体策の一つとして資産所得倍増プランに取り組むとした。首相は、日本の個人金融資産の半分以上が現預金で保有され、「その結果、この10年間で米国では家計金融資産が3倍、英国は2・3倍になったのに、我が国では1・4倍にしかなっていない」と説明。「ここに日本の大きなポテンシャル(潜在力)がある」とし、少額投資非課税制度(NISA)の拡充や預貯金を資産運用に誘導する仕組みの創設などを通じて「投資による資産所得倍増を実現する」とした。
【出典】2022年5月5日の毎日新聞電子版 "岸田首相、「資産所得倍増プラン」を表明 貯蓄から投資へ誘導"


「金融所得倍増は金融所得が2倍になるという意味ではない。多くの方が金融所得を上げられるような環境を作って、そういう社会にしていきたいということを示す言葉だ」なんて言い出さないことを願う。


では、これが実現可能か?と言えば、疑問符がつく。


10年間で2倍にするには年率7%超の成長が必要になる。銀行預金で7%の利回りは不可能だから、株式市場などでの運用を前提としている。アメリカで株式の運用利回りは一般的に10%の前提で計算され、30%の税引き後で年利7%です。できない話ではない。


日本の株式市場は、日銀が紙幣を印刷して、印刷した紙幣で株を買いまくっているのが実態です。もはや、日銀は日本企業の大株主です。

《参考》
2020年4月22日のダイヤモンドオンライン "コロナ禍で増える、日銀が「大株主」の企業ランキング【300社・完全版】"


岸田文雄首相は「少額投資非課税制度(NISA)の拡充」などをあげている。株式に使われる資金は増える可能性はある。しかしながら、これらの株式投資が日本企業の資金繰りに使われることはありません。株式の購入代金は既存の株主に支払われるのであって、日本企業に支払われるわけではない。新株発行によるエクイティ・ファイナンスをしない限りは、日本企業の手元には1円たりとも入らない。こんなものはマネーゲームです。日本企業の資金調達に使われない投資なるもので、日本企業や日本経済が成長することはありません。


もっと重大な問題がある。



岸田文雄首相は「日本の個人金融資産約2000兆円を貯蓄から投資へと誘導する資産所得倍増プランを始める」と表明している。本当に、2000兆円の個人金融があるんですか?


日本の年収は30年間でほとんど増えていない。日本の貯蓄率は欧米先進国と比較して最低レベル。日本の貯蓄率は過去30年で急速に低下した。しかも、この30年間は超低金利やゼロ金利が続いている。

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【出典】2021年10月20日 朝日新聞デジタル 「韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…」



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現役世代の貯蓄額は減っているはず。高齢者の貯蓄が増えたというのも、おかしい。退職金は削減され、年金の削減も相次いでいる。


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【出典】2019年11月29日の All About "退職金はピークだった20年前と比べて1083万円も減っている?"


老後資金2000万円不足問題が話題になった。計算の根拠は、高齢者の平均支出が年間に300万円、公的年金の平均支給額が年間200万円。年間に100万円の赤字。年金支給開始の65歳から平均寿命の85歳まで生きるとすると、老後資金が2000万円不足する。

こんな状態で高齢者の貯蓄額が増えるわけがない。平均で年間に100万円の赤字です。


現役世代も高齢者世代も、貯蓄が増えた形跡はない。日銀が作成する公式統計上は個人金融資産が順調に増えている。


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【出典】2019年5月6日の毎日新聞電子版 "「現金大好き」平成の日本人は結局損をしたのか?"


日銀の統計だけは、失わなかった30年に個人金融資産が1000兆円から2000兆円に増えて日本人は2倍に豊かになったと言っている。平均年収は増えず、貯蓄率は低下し、退職金は減り、年金支給額は削減され、運用は超低金利やゼロ金利で、税金や社会保険料の負担が重くなっていく時代にです。まともなエコノミストなら日銀統計の信憑性お疑う。


金融所得倍増計画を発表するのは自由です。でも、その前に日銀が発表している個人金融資産2000兆円って、本当にあるんですか?と聞きたい。

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