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核の放棄は愚かな政策だった?



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平和主義というのは、理想を語るだけで現実に起きたことの責任は取らないもの。その代表例がウクライナでの戦争です。


ウクライナは1990年代前半、米ロに次ぐ世界3位の核保有国だった時期があった。1991年にソビエト連邦が崩壊し、独立したウクライナ国内には当時、1240発の核弾頭と176発の大陸間弾道ミサイル(ICBM)があったとされる。
 残された核をどう扱うか。問題解決へまず動いたのは米国だった。
 1992年、ソ連時代の核を保有していたロシア、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンとリスボンで協議。ロシア以外の3カ国が核弾頭を国外に移し、非核保有国となる議定書に署名した。その後、ウクライナでは安全保障の不安などから非核化を進めることへの異論も一部から出たが、米国は1994年、見返りとなる財政支援を打ち出すことで非核化を受け入れさせた。
【出典】2022年3月2日の朝日新聞(電子版)「「核から守る」中国がウクライナと交わした約束、ロシアにどう対応?」から引用


ウクライナは、かつて核保有国だった。1994年に、ウクライナは核を放棄した。この時に作成されたのがブタペスト覚書です。ロシア・アメリカ・イギリスもこれに署名している


〈ブタペスト覚書の協定内容 〉
覚書によると 、ロシアと米国と英国は、ベラルーシとカザフスタンとウクライナが核不拡散条約の加盟国になったことを認め、実際には核兵器をロシアに引き渡すことで、 彼らは次のようにする。
1.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナの独立と主権と既存の国境を尊重する。
2.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する脅威や武力行使を控える。
3.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに政治的影響を与える目的で、経済的圧力をかけることは控える。
4.「仮にベラルーシ/カザフスタン/ウクライナが侵略の犠牲者、または核兵器が使用される侵略脅威の対象になってしまう」場合、ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに支援を差し伸べるため即座に国連安全保障理事会の行動を依頼する。
5.ベラルーシ、カザフスタン、ウクライナに対する核兵器の使用を控える。
6.これらの誓約事に関して疑義が生じた場合は、互いに協議を行う。
【出典】Wikipedia日本語版「ブタペスト覚書」から引用。


2014年におけるロシアによるクリミア半島併合。2022年のロシアによるウクライナ侵攻。国連の安全保障理事会なんてのは、何の役にも立っていない。


ロシアはブタペスト覚書を完全に無視している。アメリカはウクライナに軍隊を派兵したりはしない。


米ホワイトハウスは25日、バイデン大統領は単独でウクライナに派兵する意向は持っていないと表明した。
ホワイトハウスは「バイデン大統領はウクライナに軍を派遣する意図も関心も持っていない。北大西洋条約機構(NATO)が東部のパートナー国を支援する機構となっており、焦点はNATOにある」と述べた。


アメリカ政府は、ウクライナの核放棄の見返りにブタペスト覚書でウクライナの安全を保障したにもかかわらず、見殺しです。今後は、アメリカ政府が公式に署名した文章であっても、約束は守られる保証はないということです。同じことはイギリスにも言える。ブタペスト覚書と類似の協定をウクライナと結んだ中国やフランスも同様です。


2014年のロシアによるクリミア併合で、核放棄をした国に安全保障を約束しても、約束は守られないと証明された。にもかかわらず、以下のような茶番劇をやっていた。


◎米英仏中ロが共同声明、「核兵器のない世界」への協力を約束
2022年01月05日 CNN.co.jp 
核兵器を保有する米国と英国、フランス、中国、ロシアの5カ国は3日、共同声明を発表し、核兵器のない世界へ向けて協力することを約束した。この5カ国は国連安全保障理事会の常任理事国でもある。
共同声明では、核戦争には勝者はおらず、決して戦ってはならないと指摘。核兵器の使用は広範囲に影響が及ぶとして、5カ国は核兵器が存在し続ける限り、核兵器の使用は防衛や侵略の抑止、戦争の抑止のために使われるべきであることを確認するとした。
共同声明はまた、核保有国間の紛争抑止の重要性を強調し、そうした取り組みが最も重要な責任であると述べた。
世界では大国間の緊張が過去数十年にみられなかったような高まりを見せている。欧州ではロシアがウクライナ国境付近に大軍を集結させており、米英仏は警戒を強めている。アジアでは中国が台湾周辺で軍事活動を活発化させており、中国と、米国と米国の太平洋地域の同盟国との間で緊張が高まっている。
5カ国はすべての国々に対し、世界の究極の目標である核兵器のない世界へ向けた軍縮の進展に、より貢献する安全保障環境の醸成を呼び掛けた。
5カ国は、1970年に発効した核不拡散条約(NPT)に対する支持も約束した。NPTは締約国に対し、近い将来の核開発競争の停止と核軍縮に関連した効果的な措置に関する誠実な交渉を行うことを義務付けている。


実際に、1900発の核兵器を放棄したウクライナへのロシア軍の侵攻が始まる直前です。米英仏は核放棄の見返りにウクライの安全を保障したにもかかわらず、ウクライナには派兵しない。国連安全保障理事会のウクライナ侵攻に対する非難決議にロシアが拒否権を行使、中国は棄権した。この当事国が「核のない世界に協力」なんてのは茶番です。ウクライナにとっては、核放棄も軍縮も事態を悪化させるだけにすぎない。ウクライナは核兵器を数発残しておけば、今回のような事態にはならなかった。


日本でも、非核三原則の見直しの話が出ている。変更するかどうかは別にして、見直しの議論すらしないのは問題です。日本の周囲はロシア、北朝鮮、中国と言った核保有国に囲まれている。アメリカ政府は、核放棄の見返りに安全保障を約束した国に対して約束を履行しない。まるで第三次世界大戦を回避したかのごとく錯覚している。


これではヒトラーに対するイギリスのチェンバレン外交と同じです。オーストラリア併合を承認し、チェコスロバキアのスデーデン地方をドイツに割譲を認め、その後にチェコはドイツの保護国とされた。今のロシアは、クリミア半島を併合し、ウクライナ東部の独立(ロシアへの併合が前提)を黙認し、ウクライナはロシアの保護国化するでしょう。かつてのチェンバレン外交と大差はない。


かつて世界大戦を回避するためにチェコスロバキアを犠牲にしたように、今度も世界大戦を回避するためにウクライナを犠牲にする。「歴史は繰り返す」という言葉があるが、まさに、その通りです。







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