日本経済は「失われた30年」と言われる。バブルが崩壊して以降は、日本経済は成長していない。日本のバブル崩壊は公式統計では1991年(平成3年)3月とされている。
同じような国が、もう1つある。ロシアです。旧ソ連が崩壊したのは1991年12月です。日本のバブル崩壊と同じ1991年の出来事です。それ以降は、ロシアも「失われた30年」です。
1998年にはロシア財政危機が発生。1998年8月17日に、ロシア政府とロシア中央銀行が対外債務の90日間支払停止を行ったことがきっかけでした。当時のロシアの輸出品は、80%を天然資源(石油・天然ガス・金属・木材)に依存していた。これは現在も大差はない。
プーチン政権が誕生したのが、2000年5月7日です。その後は、メドベージェフ氏と交代でロシア大統領に就任している。
日本経済がデフレで停滞しているなんてのは嘘です。1990年代の消費者物価指数は横ばい。デフレで物価が下落したのは小泉政権の時代です。最近10年間は安倍政権の経済政策で1%程度のインフレだが、経済は停滞したままです。
今では、インフレでもスタグフレーションで不況になるとマスコミがあおっている。先日まで、デフレが「失われた20年」の原因で、2%のインフレにすれば景気は良くなるとあおっていた連中と同じメンバーです。物価と日本経済の停滞は関係ないと認めた方が正直です。なぜなら、デフレでも不況だし、インフレでもスタグフレーションで不況という説明だからです。
では、ロシア経済はどうか。実は、ロシアではインフレの状態で「失われた30年」です。
【出典】2021年12月20日の第一生命経済研究所「ロシア中銀、インフレへの警戒感を強めて7会合連続の利上げに加え、利上げ幅も拡大」から引用
ロシア財政危機の混乱を除けば、ロシアのインフレ率は5%から15%の間で推移している。物価が上昇するのに賃金が上がらなければ、どうなるのか?
ロシア 月収767米ドル
中国 月収1,225米ドル
日本 月収2,388米ドル
韓国 月収2,896米ドル
米国 月収4,365米ドル
ドイツ 月収4,867米ドル
メキシコ 月収618米ドル
ケニア 月収641米ドル
ウクライナ 月収641米ドル
統計に誤差があるとしても、ロシアの月収は7万円程度です。これは途上国なみ。メキシコやアフリカのケニアなみです。
旧ソ連時代の超大国は経済的には凋落している。今のロシアの経済はひどい状態です。
だからと言って、軍事的には軽く見ることはできない。核保有国というだけでない。最新兵器を開発し、最新兵器を大量生産できる能力がある。石油や鉱物資源も自給できる。大規模な戦争をする能力はある。中国みたいに、ジェット戦闘機のエンジンを自主開発できない国ではない。
ロシアはインフレで「失われた30年」です。日本をインフレにしたからと言って、バラ色の経済が約束されている保証なんてない。実際に、日本のマスコミはインフレでスタグフレーションの不況になるとあおり始めた。