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ガソリンの暫定税率



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原油価格の高騰が原因で、ガソリン価格が上昇している。一部の野党はトリガー条項を根拠にガソリン減税を要求している。


トリガー条項は、2010年度の税制改正で導入された。当時は民主党政権です。レギュラーガソリンの全国平均価格が1リットル160円を3カ月連続で超えた場合に、ガソリン税(53.8円)のうち上乗せ課税されている分の課税を停止する制度。2011年に東日本大震災が発生。復興財源の確保を目的に、トリガー条項は一時凍結されている。現在までトリガー条項が発動されたことは一度もない。


20220305120814bbf.png【出典】2019年11月19日のZEIMO「ガソリン・軽油・灯油にかかる消費税の違い、10%増税後の計算」

https://zeimo.jp/article/25185


では、上乗せ課税とは何か? これは「ガソリンの暫定税率」と呼ばれている。


上図では、リッター154円で計算されている。ガソリン税の53.8円の半分にあたる26.9円が上乗せ分の暫定税率です。


ガソリン税は、本則で定められている税率の2倍の税金を徴収している。本則分の26.9円と上乗せ分の26.9円の合計で53.8円が徴収されている。道路財源の不足を理由にして上乗せされた臨時の税金です。民主党政権は2010年4月に廃止されたけれど、同額分の特例税率が創設されて実質的に税率に変化がない。特例税率の使用目的は道路財源ではなく、一般財源にも使われている。


この特例税率(ガソリンの暫定税率)は、ガソリン価格がリッター160円を3ヶ月連続で超えると停止される決まりになっている。東日本大震災なんて10年前の話です。東日本大震災の復興財源を理由に、ガソリン減税を実施しない口実にされても無理筋です。


ガソリン価格がリッター154円時に、ガソリン本体の価格は83.4円。ガソリン価格の45.8%が税金なんです。


ガソリン本体にガソリン税(本来の税率と暫定税率の合計)と石油石炭税が課税される。税金も含めたガソリン価格に消費税が課税される。税金に税金を課税される変な税制です。



2022年3月5日現在で、ガソリン価格はリッター160円を超えている。ロシアによるウクライナ侵攻の影響もあり、ガソリン価格が値下がりする見通しはない。


このような状況で、本則で定められた税率の2倍の税金を課税し続けることに無理がある。


1960年代の高度経済成長の時代であれば、道路財源が本則の2倍必要と言われても、理解はできる。東京と大阪をむすぶ国道1号線が舗装を完了するのは、昭和37年(1962年)です。1970年代までは、地方では自宅の前の道が未舗装だったりする。でも、そんな道路工事はバブル前の1980年には完了している。「失われた30年」を超える"40年"も、本来の税率の2倍の税率を適用する必要はない。


では、岸田文雄首相はどのような態度なのでしょう。2022年3月3日の毎日新聞(電子版)は次のように伝えている。



 岸田文雄首相は3日の会見で、ガソリン税を一時的に引き下げる「トリガー条項」の早急な発動には否定的な考えを示した。政府はガソリン価格を抑制するための補助金上限(1リットル当たり)の25円への引き上げを4日に決定する方針で、首相は「まずは(補助金引き上げの)措置を実行し、効果を見極めるのがやるべきことだ」と述べた。
 原油高騰が長期化した場合、将来的なトリガー条項発動については「あらゆる選択肢を準備すると申し上げている。何が実効的なのか、さまざまな選択肢の中で考えたい」と含みを持たせた。
2022年3月3日の毎日新聞(電子版)「首相、トリガー条項の早急な発動に否定的 「まずは補助金引き上げ」」


つまり、法律どおりにトリガー条項を適用してガソリン減税をする意志は、現在のところは、ない。ガソリン減税で恩恵を受けるのは、消費者である自動車所有者です。補助金の給付を受け取るのは、ガソリンスタンド経営者です。建前上はガソリン値下げに使われると言うだろうが、実際は違う。業界の保護に使われ、消費者が補助金の恩恵受けることは少ない。も、ガソリン価格の引き下げが目的ならば、ガソリンの消費者である自動車の所有者に直接、減税という形で恩恵を与えれば良いだけです。


40年も前に役割を終えた道路整備のための暫定税率を、名称を変えて維持する必要性はない。本来の税率に戻すべきでしょう。

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