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古代国家は、小さな政府?



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古代国家は税金が安い。意外なんだけれど事実です。


古代中国を見てみます。周王朝の税制は諸説ありますが、「井田制」だったと言われています。Wikipediaの日本語版の解説を引用します。
1里四方、900畝の田を「井」の字の形に9等分する。そうしてできる9区画のうち、中心の1区画を公田といい、公田の周りにできる8区画を私田という。私田はそれぞれ8家族に与えられる。公田は共有地として8家族が共同耕作し、そこから得た収穫を租税とした。以上のような内容が孟子によって語られている
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【出典】Wikipedia(日本語版)の井田制より引用。


伝説上の制度だとの批判もありますが、中世ヨーロッパもこのような税制だったので実際に行われていた可能性があります。孟子はこれ紀元前300年前後の人物なので、紀元前300年頃にはそのような税制だったと伝えられていた。

さて、この時の税率を計算してみます。税金が課税されない私田が8に対して、収穫物の100%が税金の公田が1です。税率としては、11.11%です。日本の戦国時代の税率が五公五民、江戸時代の初期が四公六民の税率であったことを考えれば非常に安い税率です。


古代インドはどうでしょう。「実利論」には、古代インドの税制は「6分の1税」だったと書かれています。「実利論」の著者とされるカウティリヤ は、紀元前350年から紀元前283年ぐらいの人物だとされています。紀元前300年前には古代インドの税制は「6分の1税」だったと伝えられていた。税率に換算すると、16.66%です。古代インドでも非常に安い税率です。


古代メソポタミアの税制は、確実にわかっています。古代バビロニアの税制は「十分の一税」です。古代バビロニアで「十分の一税」を払わない人は泥棒と呼ばれた。古代バビロニアの税制は税率に換算すると、10.00%です。古代バビロニアでも非常に安い税率でした。


こうして検証してみると、古代国家の税率が10.0%から16.7%だったとわかります。古代国家税率は10%台前半に集中している。現代から見れば、非常に安い税率です。


なぜ、こんなに安い税金だったのでしょうか?


1つには公務員の人件費がかからなかったからです。王侯貴族の荘園からあがる収入で公務員の人件費を払っていた特に、兵士の給料を王侯貴族が払っていた。
これには、良い面と悪い面がある。良い面では王侯貴族こ生活費は荘園からの収益であり、税金は使っていない。悪い面では、兵士は王侯貴族の私兵だった。
古代国家においても税金がゼロだったわけではない。王侯貴族が慈善活動をしていたなんて認識するのは完全な間違いです。


もう1つ重要なポイントがある。古代国家に福祉国家という価値観がないことがないこと。当然、福祉関連の財政支出は非常に小さくなります。江戸時代の寺子屋にしても、税金で寺子屋の教育費を払っていたわけではない。教育や医療と言った福祉サービスが税金で行われるようになったのは、古代国家から数千年後のことです。


もちろん、所得再分配という考え方もない。累進課税なんて存在しません。すべてフラット課税です。貧乏人もお金持ちも、同一の税率が適用されます。税金に関しては「絶対的平等」が適用される社会です。もちろん、古代国家に「人権の平等」なんてものはないから、王侯貴族に免税の特権があったりはします。しかし、原則として同一の税率だということです。


古代国家に「貧乏人に、お金を配ります」なんて考え方はない。


古代の社会は、ほとんど全員が自営業です。農家は自営業だし、漁師も自営業です。大工さんなんかも自営業です。明治時代の日本ですら人口の7割が農家などの自営業です。
自営業というのは収入が増減する。農家で言えば、豊作の年もあれば不作の年もある。収入が極端に落ちた時に税金を減免することはあった。


古代エジプトにおいては、税金は比較的に高くて農産物の20%ぐらいをファラオに納税していました。ピラミッドはタダではない。古代国家においては重い税金ですが、江戸時代の日本よりは安い。ピラミッド建設の労働者に賃金が現物支給で支払われていた。奴隷労働でピラミッドが建設されたわけではありません。


その古代エジプトでは、ナイル川の水位で税金が決まっていた。古代エジプトは「ナイルの賜物」です。ナイル川が氾濫して水位が高い時は農産物は豊作であり、ナイル川の水位が低い時は農産物は不作です。ナイル川の水位が低く収入が低い時には減税される仕組みです。誤解のないように注意すべきは、ナイル川の水位が低い時は、お金持ちも貧乏人も平等に減税だということです。言うまでもなく、ファラオは税金を払わない。


古代エジプトで、貧しい農民が税を納められない場合は3分の2は免税していた。ただし、一般人の税金の未納には強制労働が課された。貧民層に限定した、最低限度の累進課税はあったようです。あくまでも特別かつ一時的な減税であって、現金給付ではない。


こうして見てくると、小さな政府の古代国家ですら税率は「当初所得の10%台前半」が妥当な水準です。現代の小さな政府の支持者が1%たりとも税金を払いたくないと主張するのはエゴイズムのようにも主に思われる。古代バビロニアでは「十分の一税」を払わない人は泥棒と呼ばれた。所得税以外の税金もあるので簡単には言えないが、貧困層でない一般人の税負担が当初所得の10%を下回るのは節税のやりすぎと言えるのではないでしょうか。当初所得の10%は非常に低い税率です。古代国家の税率を見る時、私にはそんな風に思えてkる

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