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経済界は成長重視と言うけれど



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2022年1月1日の読売新聞オンラインによると、経済3団体は成長重視で一致している。正確になんと言ったのか正確に引用してみる。


経団連の十倉雅和会長は政府の新しい資本主義実現会議で検討する「成長と分配の好循環」について、「まずは成長が重要だ」と指摘したことを強調。「企業こそが成長と分配の担い手だ」として、政府に協力する姿勢を示した。
 日本商工会議所の三村明夫会頭は、コロナ禍を通じ、「強く豊かな国でなければ、有事に国民を守ることができない」と再認識したという。経済成長の課題として、雇用の約7割を担う中小企業の生産性向上を挙げている。
 経済同友会の桜田謙悟代表幹事は過去30年間、日本経済が低成長にとどまった原因を「社会を一変させるようなイノベーション(革新)が生まれなかったこと」と指摘。企業経営者に自問自答を求め、問題を解消すべきだと訴えた。
【出典】2022年1月1日 読売新聞オンライン 「企業こそが成長と分配の担い手」「中小の生産性向上を」…経済3団体が年頭所感


岸田文雄首相や十倉雅和経団連会長は、成長と分配の話しかしない。近代経済学では「三面等価の原則」があり「生産(成長)・分配・支出」の3つから成立している。どういうわけか、政治家は三面等価の原則のうち「支出」に言及しない。


自民党が経済団体に支援された政党なので生産(成長)を重視する。旧民主党や立憲民主党が労働組合に支援された政党で分配を重視する。わからないでもない。両党の共通点は「大きな政府」を目指す傾向にあること。


大きな政府の財源は、「税金か国債」です。では、税金というのは三面等価の原則のどこに分類されるのか。実は、税金は「分配」に分類される。


「生産」というのは、付加価値(粗利益や限界利益)を生み出すことです。経済の成長とは、粗利益を増加させることです。この生産活動というのは、企業や個人事業主しか行いません。


いくら政府が大きくなろうとも、政府は基本的に売上ゼロの組織なので粗利益の生産もゼロです。国営企業には売上や粗利益は発生しますが、国営企業が民間企業よりも効率的だという話はほとんど聞かない。国営企業あたいてい非効率です。これは、よく知られています。


生産活動をする経済界のトップが「生産活動の成長重視」を年頭所感で表明しても不思議ではない。


でも、ここで考えて下さい。日本は2000年以降の20年間で先進国から韓国や台湾なみの途上国に転落した。今や1人あたりのGDPはアメリカの6割であり、年収もアメリカ人の6割です。日本が先進国から転落いていく20年間に、経済界のトップは経済成長を重視すると言い続けた。しかるに、日本は途上国に転落したのです。


 経団連の十倉雅和会長は、読売新聞などのインタビューに応じた。1月に公表する経団連の春闘指針で、賃上げについて「業績が回復した企業は、積極的に従業員への成果還元に努めてほしい」といった趣旨の呼びかけをする考えを示した。
【出典】2022年1月1日 読売新聞オンライン  十倉経団連会長「業績回復した企業は従業員に還元を」…賃上げの数値目標は否定


生産活動で上げた利益を、賃金として分配するように経団連の会員企業に要望した。これもいつものことです。日本が先進国から転落して行く20年間に繰り返し行われた。アベノミクスでは官製春闘と呼ばれた。にもかかわらず、日本の先進国からの転落は止まらなかった。


公式統計では、2000年以降の小泉改革の時代に戦後最長の景気回復、アベノミクスでも戦後最長の景気回復です。経済は成長したことになっている。ところが、2000年に先進国であった日本は、小泉改革とアベノミクスをへて韓国や台湾なみの途上国に転落した。経済成長の根拠とされたGDP統計は、厚生労働省や国土交通省による統計の改竄(かいざん)が発覚して、GDP統計の信憑性(しんぴょうせい)に黄色信号が点灯いている。


もはや、日本の1人あたりのGDPはアメリカ人の6割で、韓国や台湾なみです。これは労働生産性が韓国なみということを意味している。アメリカの6割の労働生産性でアメリカなみの賃金がもらえるわけがない。韓国や台湾なみの労働生産性なのだから、韓国や台湾なみの賃金しかもらえない。実際に日本人の賃金は韓国なみです。


日本企業が国内で生産した粗利益。これが成長したかどうかは横に置いて置く。


この粗利益は分配される。役員報酬や賃金になり、株主に配当され、残りは企業の利益剰余金となる。ここで分配が終わったわけではない。政府が税金をかける。ここまでが分配です。


利益を生産しない売上お粗利益がゼロの政府部門が、財政支出できるのは税金があるからです。税金は再分配の手段の1つです。


分配されたお金が支出される。賃金などの収入は個人消費となり、企業の利益剰余金は投資になり、政府の税金は財政支出になる。細かいことはさておき、基本的にはこういう構造です。


この「支出」に政治家は言及しない。2000円以降に増税と社会保険料の負担増で、個人の可処分所得は減る一方です。企業の生産活動が成長し賃金が増えたとしても、税金や社会保険料で可処分所得は減少する。実際に、アベノミクスでは名目賃金が上昇分を消費税で政府が回収した。


個人の可処分所得が減少して、個人消費が増えるわけがない。個人消費が低迷するから国内市場は縮小する。国内市場が縮小しているから国内市場向けに設備投資をしても、投資費用を国内の売上で回収できないので採算割れ。だから、国内でなく海外に投資をする。


個人消費が低迷し、国内の設備投資も削減となるから、民間市場中心の景気回復にならない。過去20年間、繰り返されてきたことが2022年も繰り返されるのか?

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