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定額給付金は本当に貯蓄にまわったのか?



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日本での定額給付金は、今回が始めてではない。たとえば、2009年にも定額給付金(全国民に1万2千円)が配られている。内閣府によると、2009年の定額給付金による消費増加効果は支給額の32・8%にとどまった。支給額の多くが貯蓄に回り、景気の回復などにつながらなかったとされている。

2020年の定額給付金(全国民に10万円を給付)の使い道に関する日豪合同チームの分析を、2021年4月24日の共同通信が報じている。
家計簿アプリ「マネーフォワード ME」の利用者23万人分のデータを事前の同意を得て調べた。決済履歴から確実に消費に回ったと判断できる分は1人当たり約6千円。現金自動預払機からの引き出し分を含めると約1万6千円、他人の口座への振り込みなども合わせると約2万7千円が使われた計算となった。残る7万円超は貯蓄に回ったとみられる。

これらは、給付金の7割が貯蓄にまわり、消費を増加させる効果はなかったとする主張です。逆に言えば、消費の大魔王である政治家や役人が、お金の使い道を決めた方が消費を増加させる効果が高いという主張です。

逆のデータもある。

2021年11月17日の神戸新聞NEXTによると、アンケートの結果は異なっている。


神戸新聞NEXT
神戸新聞社は双方向型報道「スクープラボ」で使い道を尋ねた。アンケートは今月10~12日、無料通信アプリ「LINE(ライン)」で実施し、1769人から回答を得た。男女比はおおむね4対6で、40、50代だけで6割近くを占めた。
国民1人当たり一律10万円の特別定額給付金の使い道は、生活費など暮らしに必要な出費が半数以上。子ども向け給付の使い道よりも圧倒的に多かった。減収補てんも特別定額給付金の方が割合が高く、当時の深刻な経済情勢をうかがわせる。他の調査では「貯蓄が多い」とされたが、スクープラボでは貯蓄は1割程度にとどまった。
【出典】
2021年11月17日の神戸新聞NEXT


これらの統計から言えることがある。どちらかが嘘をついている。


定額給付金が貯蓄にまわったとする主張を鵜呑みにはできない。筆者としては、仮に定額給付金が貯蓄にまわったからと言って何が悪いんだ?と言いたい。

政府支出がいくら増えても、家計消費なんてほとんど増えない。GDP統計で言う政府支出が増えるだけです。ケインズ経済学の乗数効果が家計に与える影響なんて限定的です。粗利益率すら理解できない学者の空論にすぎない。

政府支出の代表例は公共事業です。建設業界の粗利益率は10%です。建設業の労働分配率は75%ぐらい。つまり、政府支出の90%は建設業界に消える。労働者の賃金に回るのは公共事業の7.5%だけです。こんなものが家計消費に与える影響なんて微々たるものです。やらないよりマシという程度です。
どの業界でも同じような話なんです。大手小売業の粗利益率は25%ぐらいで、小売業の労働分配率は約50%です。政府が小売業に商品を発注しても、給料に回るのは12.5%だけです。政府が小売業に商品を発注することはあまりないが、基本的に政府支出が増えても賃金はほとんど増えない構造です。

家計部門の個人消費を増やすには、公共事業よりも現金給付のほうが良い。それは、たとえ現金給付が貯蓄にまわったとしてもです。

上記の通り、実際にどの程度が貯蓄にまわったかわからない。ある程度は貯蓄にまわるでしょう。銀行に預金されたとしても、銀行はお金を埋めておくわけではない。預金は、企業の設備投資や住宅ローンの原資になる。預金が増えたからと言って、どうということはない。むしろ、銀行預金が設備投資や住宅ローンに使われず、国債の購入にあてられているとすれば、そちらの方が問題です。

経済政策の目的は、国民の消費と貯蓄を最大化することにあると、著者は考えている。国民の貯蓄が増えて何が悪いんだ。貯蓄が増えれば国民生活が安定する。消費するお金が不足すれば、貯蓄を取り崩せば良いだけです。

国債は国の借金であり、財政悪化を口実に増税が行われる。公共事業で政治家と役人が使い道を決めて請求書だけが国民にまわって来る社会が良いのか。それとも、現金給付で国民自身がお金の使い道を決め、あとから請求書がまわって来る社会が良いのか。どちらが、よりましな選択かという問題です。

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