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有価証券報告書に男女別賃金の記載を検討?



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2022年7月25日の時事通信ニュースによると、岸田文雄首相は有価証券報告書に男女別の賃金を記載する方針とのこと。


岸田文雄首相は25日、東京都内で開かれた日本公認会計士協会の定期総会であいさつし、有価証券報告書に男女間の賃金格差など非財務情報の記載を義務付ける制度を、来年度から導入する方針を示した。具体的な記載内容などの指針を「本年秋ごろに示したい」と語った。
【出典】2022年7月25日の時事通信ニュース “「男女別賃金」記載、今秋に指針=来年度から有価証券報告書に―岸田首相”


有価証券報告書は、上場企業が公表する財務情報です。つまり、大企業が中心とした情報開示です。

2020年度(2020年4月期-2021年3月期)の上場2,459社の平均年間給与(以下、平均給与)は、前年比10万8,000円減(前年度⽐1.7%減)の603万2,000円だった。
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【出典】2021年7月26日のマイナビニュース “上場企業の平均年間給与は603.2万円 - 最も多い企業は?”


2020年の民間給与実態統計調査(国税庁)によると、日本の平均賃金は433万円です。有価証券報告書の平均給与603.2万円と大きな相違がある。


大企業の春闘は賃上げだったかもしれない。でも、日本全体として年収は増えていない。


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【出典】2021年10月20日 朝日新聞デジタル 「韓国に抜かれた日本の平均賃金 上がらぬ理由は生産性かそれとも…」


有価証券報告書が、日本経済の実態を反映しているか?といえば、かなり疑問が残る。たとえば、イオンの有価証券報告書を見てみます。


イオンの平均年収は、856万円(2022年)とされている。上場企業で大企業だから、こんな年収でしょう。


でも、よく考えて欲しい。イオンのようなスーパーは85%ぐらいか時給1000円の非正規労働者です。

時給1000円で週休2日8時間労働とすると、1週間に40時間労働。52週間で364日だから、時給1000円では年収208万円(時給1000円×年間2080時間労働で計算)にしかなりません。

こんな低賃金の労働者を大量に雇って、平均賃金が856万円になるわけがない。これは正社員だけの給料が平均で856万円ということでしょう。


概算で計算してみます。パート労働者の労働時間が年間に1000時間労働と仮定して、年収100万円。こういう労働者が85%ぐらい。年収850万円の正社員が15%とする。この場合の平均賃金は212万5000円となる。

これでは、正社員の給料の実態を反映していないので856円なのでしょう。法的にはパート労働者は直接雇用ではないのでしょうね。


2020年の民間給与実態統計調査(国税庁)は、正社員の平均賃金は496万円で、非正規社員の176万円となっている。イオンの正社員が年収850万円で、イオンの非正規社員が時給1000円(年収100万円から年収200万円)だとしても驚きはしない。


これを「格差社会」とか「勝ち組と負け組」とか呼んでいる。負け組とされる非正規社員が女性に集中していることは問題ではある。


2020年における非正規雇用労働者の割合を見ると,女性は54.4%,男性は22.2%(内閣府 男女共同参画局)となっている。女性の平均年収は大きく下がる。国税庁の民間給与実態統計調査によると、「 1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均給与は461万円であり、男性567万円、女性280万円」となっている。

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イオンの例で検証したように、大企業の有価証券報告書に書かれている平均年収は実態を反映していない。あれは正社員の給料です。


日本における女性の低賃金は非正規労働の賃金水準にある。有価証券報告書に非正規労働者の賃金水準が書かれていない。こちらの方が重大な問題であると言えるのではないでしょうか?

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