岸田文雄政権は、観光支援策「全国旅行支援」を延期する方針と報道された。これは観光支援策
「Go to トラベル」の名称を変更した政策です。
《参考》
全国旅行支援の開始延期へ 感染拡大影響、9月以降にずれ込む可能性
2022年7月12日 朝日新聞電子版
Go to トラベルは、2020年4月7日に新型コロナウイルス関連の経済政策として閣議決定され、2020年7月22日より実施された。
当時は安倍晋三政権。安倍晋三政権での官房長官が菅義偉衆議院議員、全国旅行業協会の会長が、自民党幹事長の二階俊博衆議院議員です。2020年9月16日に菅義偉内閣が発足、多くの批判の中でGo to トラベルは継続され、コロナウイルスの感染拡大でGo to トラベルは2020年12月28日より中断に追い込まれた。
もともと、Go to キャンペーンは無理筋の政策でした。旅行者が増えればコロナウイルスの感染が広がり、コロナウイルスの感染防止の対策とは矛盾する政策です。簡単に言えば、ブレーキとアクセルを同時に踏むような政策です。
Go to トラベルは、執行予算が無くなった時点で終了することになっている。だから、中止ではなく延期です。
その後も、都道府県版のGo to トラベルである県民割を実施。県内の旅行には割引などの特典がつく制度です。これを全国の旅行に適用範囲を拡大し、Go to トラベルとほぼ同じ内容にしようとするのが、岸田文雄政権の観光支援策「全国旅行支援」です。
これも、コロナウイルスの感染拡大で延期の方針に追い込まれた。これが大雑把な経緯です。
これらの経済政策は、コロナ対策と言っているが、典型的な業界保護です。税金で保護しなければ生き残れない業界に税金をばらまいているだけ。
疫病対策だなんて言っているが、疫病なんてコロナが最初で最後でもない。過去にはエイズの感染拡大、H5N1型の鳥インフルエンザの問題があり、エボラ出血熱の感染拡大も発生し、サル痘の拡大が問題になっている。H5N1型の鳥インフルエンザやエボラ出血熱は、現段階では封じ込めに成功し、エイズやコロナは封じ込めに失敗した。サル痘は今後の対応次第です。
《参考》
サル痘、世界で780件確認 「ウイルス拡大の恐れも」―WHO
2022年06月06日 時事通信ニュース
コロナから2年半以上が経過して、コロナによる一時的な混乱なんて時期は終わった。コロナ流行が長期化することは、ほぼ確実です。いつまで業界保護を続けるつもりなのか。
疫病が発生に対処できなくて倒産しました。2年以上の時間があった。これでも対応できないのは企業経営の問題です。
消費者に支持されない会社が生き残ることはできない。いつまで税金で救済し続けるつもりか?
そもそも、旅行に行くかどうかなんて、消費者が自由に選択する問題です。政治家や役人に旅行に行しなさい!なんて指導される覚えはない。
国家すなわち政治家や役人のご指導どおりに旅行に行った人だけに税金で補助金をプレゼントするのか。それとも、同額を国民に現金給付してお金の使い道を消費者が自由に決めるのか。そういう選択です。もちろん、税金そのものを減税するという選択肢もある。
もし、国民に現金給付をするのであれば、旅行に行こうが、自宅に引きこもってネット通販買い物をする。自由に選択できるわけです。政治家と役人に自由な消費行動に介入されずにすむ。
よく考えてみると、Go to キャンペーンは旅行だけではなかった。Go To トラベルは旅行が対象、Go To Eatは外食が対象、Go To イベントはスポーツ観戦などが対象、Go To 商店街は商店街が対象です。
政府すなわち政治家と役人の指示通りに動く者だけが現金をプレゼントされる仕組みです。
政治家と役人の指示通りに、旅行に行かずに疫病対策で自宅に巣ごもりする人は税金で補助しない。
政治家と役人の指示通りに、外食に行かず家で食事をしない人は税金で補助しない。
政治家と役人の指示通りに、スポーツ観戦などに行かない人は税金で補助しない。
政治家と役人の指示通りに、商店街で買い物をせずにネット通販で買い物をする人は税金で補助しない。
これが、自由な社会と言えるか?
政治家や役人がやっていることは業界保護。消費者に選ばれないような商品やサービスをあつかっている業者を税金で保護している。
多くの人が商店街で買い物をしない。その理由を考えてみる必要がある。欲しい商品がないからです安くて良いものはスーパーや100円ショップなどで買える。高価で高品質なものは百貨店で買う。品揃えの豊富さを重視する人はネット通販で買う。
消費者に選ばれないような商品やサービスを提供している会社なんて生き残れない。これは純粋に企業経営の問題です。
いつまで税金による企業救済を続けつもりなのか。コロナから2年半過ぎた。3年、5年と続けるつもりなのでしょうか?
そろそろ、業界保護から脱却しないといけない時期が来ている。